俺が彼女を抱けない理由
何度も話そうと思った
でも。。それを知られて軽蔑されることが怖かった。
俺、葵のこと本当に失いたくないんだよ。
葵と付き合おうって決めた日から俺。。苦しかった。
でも葵はその何倍も苦しい思いをしてたんだよな。
ごめん。
・・・本当にごめんな
本当に愛してるんだ。
・・葵だけを。」
静まり返った部屋に点滴の音だけが聞こえる。
・・・葵?
葵の左目から一粒の涙がこぼれた
「葵。。
葵!!」
その声に看護師さんが駆けつける
「坂井さん、分かる!?
。。。先生呼んでくるから」
「はい」
待合室にいた葵の両親、瞬、そして沙希と兄貴も葵を囲む
「葵ちゃん!!」
「葵!!」
「葵!!」
「葵ちゃん!!」
病室内が慌しくなり葵の両親以外は一度廊下へと出された。
誰も口を開こうとしない。
どれくらいの時間が経っただろう。
病室の中から葵のお母さんの泣き声だけが聞こえてきた。
俺はその場から動くことができなかった。