俺が彼女を抱けない理由
「ただいまぁ〜!」
「祐ちゃんお帰り。お疲れ様。沙希怒ってるよ。笑」
「何で?」
「あの絵はない!!」
「まじで?」
兄貴が恐る恐る沙希に近づく。
沙希はすねたままで兄貴を見ようともしない。
「もう許してあげたら?」
葵の言葉にも耳を貸さない沙希は相変わらずでまるで子供だ。
でもそんな二人にはこんなこと日常茶飯事でみんな笑ってた。
「葵ちゃん、お腹大きくなったね」
兄貴が葵のお腹を眺める。
「セクハラ〜」
そういって沙希は兄貴に絡む。ちょっとしたジェラシーって奴だろうな。
「あと3ヶ月くらいかな。。」
「そっかぁ。俺達も頑張ろうな。」
そういって兄貴は沙希を抱きしめた。
こんな幸せな空間があるんだ。。。
愛する喜びと愛される喜びを俺は知った。
家族の暖かさを初めて感じた。
そしてそれがずっと続くように俺は心から願った。
今なら言える。。。
お母さん。。
俺を産んでくれてありがとう。
end