俺が彼女を抱けない理由


「アタシ、今村夕実。ヨロシクね」

「あっ俺は結城拓。っでコイツが瞬。吉村瞬」


「ヨロシク〜」


「ヨロシクねっ!」


俺たちが自己紹介してるのにも関わらず、この女はもう違う方を向いている。


「じゃあ夕実いこう」


「うん。分かった」


香川沙希は夕実ちゃんの手を引っ張って教室を出て行った。


「俺アイツ無理。。。」



「だろうな。。。」


瞬と顔を合わせて笑い俺たちも体育館へと向かった。


「できれば担任は若いきれいな先生でお願いしたいよな?」


瞬は本当に昔から女好きだ。


それに加えて誰にでも愛想が良くて優しい瞬の周りには常に女の子が集まって来ていた。


「俺はあんまり興味ないかも」


「お前そんな悲しい事いうなよ」



「まあな」




結局担任は瞬の期待を裏切って髪の薄い親父になった。


あの担任を読み上げられたときのクラス全員の肩の落とし方は後ろから見てても笑えた。



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