俺が彼女を抱けない理由
「もぉ〜無理ぃ」
そう言いながら倒れ込む香川に水を渡してやるのは、やっぱり松本先輩でそれをアイツは嬉しそうに受け取る。
俺はその場から離れて同じ1年の三浦とストレッチすることにした。
「やっぱり結城は速いな。もう折り返しから完全において行かれたよ」
そういう三浦は1500mを得意としてるからそこで勝負したら絶対に俺は勝てない。
「なんか俺伸び悩んでるわ。やっぱ練習だよな」
純粋に陸上が好きな三浦がうらやましくもありそうなりたいと思った。
「じゃあ今日はここまで」
「疲れたぁ」
香川がマネジャー達とタイムについて話ながら帰ってくる。
「あっ拓!!お疲れ〜生きてる?」
「なんとか。そういうお前は?」
「またお前って言ったぁ」
なんかそこにこだわるよな。。
「はいはい。沙希ちゃんは?」
「ちょっと無理した。。笑」
「まだ初日だぞ。」
「だね」
こんな練習が2日目3日目と続き俺ら長距離は駅伝コースの試走の為に先に帰った。
帰りの車の中は特に何をしゃべる訳でもなく俺は窓の外ばかりを見てた。
俺らはあと2日間、学校の施設に泊まる。
香川はまだあの練習をしてるのかと思うと少し心配になる。
でも心配ばかりしてる場合じゃない。頑張らないといけないのは俺の方だ。