俺が彼女を抱けない理由
香川と松本先輩はまだ続いてるみたいで時々一緒に帰る所を見る。
でも週の半分は瞬と夕実ちゃんと俺と香川で帰った。
なんとなくこの4人でいる時が一番落ち着いた。
「結城くんもうすぐ駅伝大会だね?応援いくよ!」
「夕実ダメだって。拓、プレッシャーに弱いから。笑」
「バカじゃねーの。俺にプレッシャーなんてないって」
「じゃあみんなでおっきい旗に結城拓頑張れ〜って書いて持っていこっ」
「お前ら楽しんでない?」
「違うよなぁ。俺たち拓の応援団だから」
冗談ぽいこの会話も嬉しかった。
「絶対優勝して」
香川の一言が俺をやる気にさせる。
「俺一人じゃどうにもなんないけどな」
「拓が全部抜いたらいいってだけの話」
もう言いたい放題だな。
「頑張るよ」
俺はみんなにも自分にもそう誓った。