俺が彼女を抱けない理由
瞬が夕実ちゃんを連れて校舎の方へ行く。


｢拓?｣



｢ん?｣


｢なんか拓に抱きしめられてるとか。。変な感じだよ。三浦っちが笑ってるよ｣


｢三浦。。笑ってろ。｣


｢あったかい｣


｢そうだな｣


この日以来また昔のように話せるようになった。

沙希の一人暮らししてるﾏﾝｼｮﾝはうちから近かった。

ご飯を食べに行ったり買い物に行ったりもした。

それでも沙希の中で俺は男としては見られてない事も分かってた。


告白するﾁｬﾝｽなんていくらでもあった。



でもできなかった。
側に入れるなら彼氏と言う存在じゃなくてもよかったんだ。


｢彼氏とかできないわけ?｣

｢できないじゃない!作らないのっ!｣

そういう沙希に安心してたのかも知れない。



｢ねぇ拓?｣


｢何?｣


｢部屋のｿﾌｧ買いに行くの手伝ってぇ｣



俺はお前の何?そう思っても聞けない。

そして絶対ついて行く。
沙希の隣には俺が居たかった。

｢このｿﾌｧ配達してもらうんだよな?｣

｢宅配高いもん。一緒に運ぶよぉ拓ちん｣


やっぱり鬼だ

俺の車のﾄﾗﾝｸに無理矢理積み込む。

｢なぁ閉まってないけど?｣


｢大丈夫だーって｣

もぅこの女だけは。。


惚れた方が負けなんだな。


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