俺が彼女を抱けない理由
満足気な沙希を置いて俺は部屋を出た。


思い続けてもう5年。。。


アイツはほんとに俺の気持ちに気づいてないのか?
気づいてて気づかないふりしてるか?


分からない。。。



三浦。お前なら分かるんじゃないの?

教えてくれよ。

そのまま会社に戻った俺は次のブランドのコレクションの準備を手伝う。


今日は打ち合わせで何人かのモデルも来ていた。


初めはさすがに見とれたりもしたけど、これだけ毎日いろんな人が出入りしてたらもうなれた。


「拓〜」


「あっ祐ちゃん」


「がんばってるな」

「なんとかね。。笑」


「俺、今度小さい役だけど舞台に出れることになったんだ」


「え〜すごいね」


「まだ全然すごくないって。。。でも有名な事務所の人も見に来るみたいだから頑張るな」



「見にいこっかな」


「まだいいや」


「じゃあ次は招待してよ」


「わかったよ」


この舞台をきっかけに兄貴はどんどん有名になっていったんだ。


俺なんて手の届かない所に。




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