俺が彼女を抱けない理由

『もしもしぃ!無事社会人になりました~』



4月も終わりに近づく頃、沙希の方から電話があった。


この1ヶ月まるで何もなかったように。。

『おめでとう』

わざと無愛想に言う俺にも沙希は動じない。




『拓、調子でも悪い?』

アイツにはそんな遠回しな方法効き目ないか。。

俺はすぐに沙希の性格を思い出しいつも通りは話す事にした。




『そんな事ないよ。てか。。なんか久しぶりじゃない?』


『そう??』


・・そうだよ



ほんとにお前はいろんな意味で1番だよ。。

ため息もでない。


俺の気持ちも知らないで沙希は話を続ける。




『あっ拓に相談があって電話したの』


『どうした?』


『あ〜どおしよっかなぁ』


『どうせ大した悩みでもないだろ?』



『まぁね』


『なに?』



やけに引っ張る沙希の言い方に何だかすごく嫌な予感がした。






『アタシね。。年下の男の子に惚れました。。』




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