バーチャルウォーズ
すると風紀委員長の松永竜輝が手をあげて高井の質問に答えた。
「模擬店はないわけじゃないんだよ。
ゲームなどのアトラクションと同じ扱いでやっているんだけどね・・・食べ物やさんについては2年前に事故があってできなくなったんだ。」
「事故って何ですか?」
雪美は思わず、松永に突っ込んで質問すると副会長の中井がすごい形相で怒鳴った。
「焼きそばに使ってたガスボンベの管理を怠ったやつがいて、そこにたまたま不良どもが嫌がらせにやってきて、爆発を起こしたんだ。
うちの学校はけっこう恨んでるやつが多いってことだよ。」
「そ、そうだったんですか・・・。わかりました。」
「何がわかったんだよ。わかってれば事故ったと説明があれば察しがつくはずだ。
食べ物屋で問題があるといえば、火の扱いや食中毒だからな。
そんなことも、君は!!!」
「一真、そのくらいにしておけ。
1年生に事故のあとのことをすべて説明しなくてはならなくなる・・・。」
そう咲に言われた中井は暗い顔で席に座りなおした。
それから会議では発言がなくなり、終了となった。
雪美は中井に呼び止められるのが怖くて、早歩きで自分の教室へと向かった。
教室でささっと帰る用意をして玄関に差し掛かったところで、中井が立っていた。
「ひっ・・・・!」
「文化祭の事故の話の続きを聞きたくはないか?」
「もう、けっこうです。察しました・・・さようなら。」
「待てよ!おまえのその髪を見てると、店を荒らした連中のスケバンどもを思い出すんだよ。
物を破壊してた男どもの後ろにいるからと思って油断したのがマズかったんだが、女は怖いよ。
ガスをばらまいてしまうんだからな。
おかげで・・・俺の姉は・・・顔に大やけどを負ってそれが原因で・・・卒業前に自殺したんだ!」
「えっ・・・!」
「赤い髪なんかしてる女は信用できたもんじゃないからな。」
「私は・・・染めてるんじゃありません。」
「黒かこげ茶にしようとは思わないのか!こいつっ」
中井が雪美の顔に手をのばそうとしたとき、中井の手を咲がつかんで止めた。
「浅岡に敵意を持ってるようだから来てみたら・・・そういうことか。
ここでおまえがセクハラまがいな行動をしたら、亡くなったお姉さんも浮かばれないと思うぞ。
浅岡は不良ではないし、おまえとはべつの意味でいじめる輩からひどい目にあわされて自分の髪の毛にコンプレックスをもって、学校さえ行けない状況だったんだ。
おまえも姉を追い詰めたような輩と同じようになりたいのか?」
「俺が・・・?」
「おまえの姉さんが傷ついた顔を見られるのが嫌だったように、彼女は髪を見られるのが嫌になるほど追いつめられてたという過去がある。」
「そ、そうか・・・。わざとじゃないんだもんな。
わかってるさ。わかってるけど・・・その色を見たら俺は・・・。」
「中井先輩・・・。事故でお察しできなくてすみませんでした。
私はこの学校にきて、届を出させてもらって・・・死ななくてもいいんだってホッとできました。
でも、先輩のお姉さんは・・・。思い出させてしまって。私・・・。」
「もういい。浅岡は帰れ。中井は怒ってはいない・・・。
あとは俺が話をするから。はい、さよなら。」
「はい、さようなら。」
「模擬店はないわけじゃないんだよ。
ゲームなどのアトラクションと同じ扱いでやっているんだけどね・・・食べ物やさんについては2年前に事故があってできなくなったんだ。」
「事故って何ですか?」
雪美は思わず、松永に突っ込んで質問すると副会長の中井がすごい形相で怒鳴った。
「焼きそばに使ってたガスボンベの管理を怠ったやつがいて、そこにたまたま不良どもが嫌がらせにやってきて、爆発を起こしたんだ。
うちの学校はけっこう恨んでるやつが多いってことだよ。」
「そ、そうだったんですか・・・。わかりました。」
「何がわかったんだよ。わかってれば事故ったと説明があれば察しがつくはずだ。
食べ物屋で問題があるといえば、火の扱いや食中毒だからな。
そんなことも、君は!!!」
「一真、そのくらいにしておけ。
1年生に事故のあとのことをすべて説明しなくてはならなくなる・・・。」
そう咲に言われた中井は暗い顔で席に座りなおした。
それから会議では発言がなくなり、終了となった。
雪美は中井に呼び止められるのが怖くて、早歩きで自分の教室へと向かった。
教室でささっと帰る用意をして玄関に差し掛かったところで、中井が立っていた。
「ひっ・・・・!」
「文化祭の事故の話の続きを聞きたくはないか?」
「もう、けっこうです。察しました・・・さようなら。」
「待てよ!おまえのその髪を見てると、店を荒らした連中のスケバンどもを思い出すんだよ。
物を破壊してた男どもの後ろにいるからと思って油断したのがマズかったんだが、女は怖いよ。
ガスをばらまいてしまうんだからな。
おかげで・・・俺の姉は・・・顔に大やけどを負ってそれが原因で・・・卒業前に自殺したんだ!」
「えっ・・・!」
「赤い髪なんかしてる女は信用できたもんじゃないからな。」
「私は・・・染めてるんじゃありません。」
「黒かこげ茶にしようとは思わないのか!こいつっ」
中井が雪美の顔に手をのばそうとしたとき、中井の手を咲がつかんで止めた。
「浅岡に敵意を持ってるようだから来てみたら・・・そういうことか。
ここでおまえがセクハラまがいな行動をしたら、亡くなったお姉さんも浮かばれないと思うぞ。
浅岡は不良ではないし、おまえとはべつの意味でいじめる輩からひどい目にあわされて自分の髪の毛にコンプレックスをもって、学校さえ行けない状況だったんだ。
おまえも姉を追い詰めたような輩と同じようになりたいのか?」
「俺が・・・?」
「おまえの姉さんが傷ついた顔を見られるのが嫌だったように、彼女は髪を見られるのが嫌になるほど追いつめられてたという過去がある。」
「そ、そうか・・・。わざとじゃないんだもんな。
わかってるさ。わかってるけど・・・その色を見たら俺は・・・。」
「中井先輩・・・。事故でお察しできなくてすみませんでした。
私はこの学校にきて、届を出させてもらって・・・死ななくてもいいんだってホッとできました。
でも、先輩のお姉さんは・・・。思い出させてしまって。私・・・。」
「もういい。浅岡は帰れ。中井は怒ってはいない・・・。
あとは俺が話をするから。はい、さよなら。」
「はい、さようなら。」