バーチャルウォーズ
雪美は自分でも驚くほど、流輝には思ってることが話せると思い、ついつい甘えてしまうように続きを話す。


スノウ「聞いたところで彼と私とは住む世界が違うんですよ。
説明してもらったり、見本を見せてもらっても、私はきっとできません。

流輝さんの言うとおり、理由があったとしても、私は心が狭いから許せない。
きれいなものを見せられたらイライラしてつぶしちゃうのが私だから。

話をしただけで、自分が嫌になっちゃうようなことを言ってしまうと思うし、絶対嫌われちゃう行動するに決まってます。」


流輝「スノウさんはその人と別世界人なのに、嫌われたくはないんだね。」


スノウ「わかんないです。
嫌われるようなことをしたら、両親にも迷惑がかかるし、毎日が行き詰るようなところになったら出ていくしかないでしょう?」


流輝「じゃあ、無理にその人と話さなくていいんじゃないかな。
そのうち、理由がわかるかもしれないしさ。

嫌なことを無理にすることもないんじゃないかな。

部活から離れてみるとかね・・・誰かに迷惑とか考えずに、思い通りやってみて『ごめんなさい』でも許してもらえると思うよ。」



スノウ「思い通りにしてもいいの?
あとで嫌われたり、いじめられないかな。」


流輝「自分の思ったこともできないで嫌われるよりかは、自分の思ったとおりやって嫌われる方が納得はできると思うよ。

永遠に学校で部活するわけじゃないでしょう?」


スノウ「そうだよね。うん・・・自分で決めたことなら仕方がないって思えるね。
ありがと、流輝さん。
流輝さんがチャットしてくれてよかった。
あ、長々とご迷惑おかけしました。」


流輝「俺のあいづちくらいでスノウさんが元気になるなら、お安い御用です。」


スノウ「流輝さんは優しいね。見ず知らずの人なのに好きになっちゃった。
(*^.^*)エヘッ。」


流輝「じゃ、そろそろ。」


スノウ「うん、おやすみなさい。」



咲はすぐにパソコンの電源まで切るとベッドに倒れこんだ。

「ふぅ・・・・危なかった・・・。
俺は口もきいてもらえないというのに、流輝は好きになっただなんてなぁ。」



翌朝も咲とろくに言葉もかわさず、登校した雪美は同じクラスの高井から放課後に咲とテニスの試合をすることをきかされた。


「えっ、今日の放課後に試合やるの?」


「うん、会長はリハビリの仕上げだろうけどね。
ちょっとした練習試合だけど、俺すっごい楽しみ!

直接、菅野先輩と打ち合いできるってほんとワクワクするよ。
浅岡も応援しにきてくれよな。」



「う、うん・・・。」

(こんなに早く試合していいのかなぁ。
咲の手はフライパンもうまく持てなかった気がするんだけど・・・)
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