バーチャルウォーズ
帰宅してから雪美はとても上機嫌だった。
雪美の心が重くなったときにはいつも、冷静に公平なアドバイスをくれて雪美自身がじっくり自分を見つめなおすきっかけをくれる流輝と偶然出会ってしまったことは、運命としか思えない。
しかも、リアルでの彼は笑顔と手がきれいなパティシエだったということも感動的なシチュエーションだった。
ケーキもかわいくておいしかったし、とてもいい出会いといえる。
本名もプライベートもぜんぜんわからないけれど、笑顔で会話できたことだけでも雪美のイメージ通りの人なのだ。
自然と顔がにやけてしまい、咲と輝人は雪美に何があったのか不審に思わずにはいられなかった。
「学校にいるときより、すごい上機嫌じゃないか?
寄り道してたようだって咲から聞いたぞ。
どこにいってきたのかな?」
「華道部の先輩にケーキ屋さんに連れていってもらったの。
とっても美味しかったわ。」
「へえ・・・雪美が食べることが好きなのはわかってるけど・・・妙に今日は楽しそうなんだけどな。
ケーキがうまかった以外にもいいことがあったように思えるんだけどなぁ。」
「うん、あったよ。
でも、それはヒミツ!」
「そこがいちばん知りたいんだけどなぁ。」
「だ~め!」
輝人がそこまでしか聞き出せないのを確認した咲は輝人が雪美から離れたところを見計らって、
「そのうかれ方は彼氏にでも会ったようだね。」
「えっ・・・。彼氏になんて会ってないし、そんな関係じゃないし。」
「へぇ・・・まだ彼氏ではない関係だけど、会えてうれしかったんだね。」
「や、やめてくださいよ。そういう誘導尋問!
いくら生徒会長だからって趣味悪いですっ!」
「うちの学校の生徒ではないね。
松永が最有力だと思うけど・・・ケーキ食べにいってどういう人に会ったのかなぁ・・・。」
「し、知りませんってば!
ケーキがおいしかっただけです。それだけ。
そ、そんなこと追及して、咲は何をたくらんでるの?
私の彼氏が気になるなんて、咲は私のことが好きなのかしらぁ?」
「ゲフッ!・・・・・。
先生と同様で同じ家に住む者として心配しただけのことだ。
君はけっこう周りをびっくりさせることをやってくれるからな。」
「まぁひどい!・・・私は周りにそんなご迷惑をかけたことはないです。
今はすっかり不機嫌になったんだから、もう心配もなくなったんじゃないの?
私のプライベートに干渉してこないでよ。
家じゃとくにお兄さん風吹かせたい人なのね。」
咲は、雪美がそういって部屋に入ろうとドアノブに手をかけようとした手をひっぱるとぐいっと自分に引き付けた。
引っ張られた勢いで雪美は姿勢が前のめりになって倒れそうになるのを咲に抱きとめられ、その後強く抱きしめられた。
「ああっ!は、離してよ。」
「俺は雪美の兄貴になった覚えはないけど。
大切な人ならば両親にもいずれ紹介することになるだろう?
いい出会いができたのかな?」
「ええ。ほんと、いい出会いよ。
でも、名前も何も知らないわ。いいなと思っただけよ。
咲だってそういうことあるでしょう?
なんでこんなに詰め寄られなきゃいけないのよ。」
「君がかわいいからだ。もういい・・・すまなかった。」
雪美は部屋に素早く入ったものの、咲の言葉に同様せずにいられなかった。
(私がかわいいって・・・。何考えてるの。兄になった覚えはないのにかわいいって。そんなのって・・・ウソっ。)
雪美の心が重くなったときにはいつも、冷静に公平なアドバイスをくれて雪美自身がじっくり自分を見つめなおすきっかけをくれる流輝と偶然出会ってしまったことは、運命としか思えない。
しかも、リアルでの彼は笑顔と手がきれいなパティシエだったということも感動的なシチュエーションだった。
ケーキもかわいくておいしかったし、とてもいい出会いといえる。
本名もプライベートもぜんぜんわからないけれど、笑顔で会話できたことだけでも雪美のイメージ通りの人なのだ。
自然と顔がにやけてしまい、咲と輝人は雪美に何があったのか不審に思わずにはいられなかった。
「学校にいるときより、すごい上機嫌じゃないか?
寄り道してたようだって咲から聞いたぞ。
どこにいってきたのかな?」
「華道部の先輩にケーキ屋さんに連れていってもらったの。
とっても美味しかったわ。」
「へえ・・・雪美が食べることが好きなのはわかってるけど・・・妙に今日は楽しそうなんだけどな。
ケーキがうまかった以外にもいいことがあったように思えるんだけどなぁ。」
「うん、あったよ。
でも、それはヒミツ!」
「そこがいちばん知りたいんだけどなぁ。」
「だ~め!」
輝人がそこまでしか聞き出せないのを確認した咲は輝人が雪美から離れたところを見計らって、
「そのうかれ方は彼氏にでも会ったようだね。」
「えっ・・・。彼氏になんて会ってないし、そんな関係じゃないし。」
「へぇ・・・まだ彼氏ではない関係だけど、会えてうれしかったんだね。」
「や、やめてくださいよ。そういう誘導尋問!
いくら生徒会長だからって趣味悪いですっ!」
「うちの学校の生徒ではないね。
松永が最有力だと思うけど・・・ケーキ食べにいってどういう人に会ったのかなぁ・・・。」
「し、知りませんってば!
ケーキがおいしかっただけです。それだけ。
そ、そんなこと追及して、咲は何をたくらんでるの?
私の彼氏が気になるなんて、咲は私のことが好きなのかしらぁ?」
「ゲフッ!・・・・・。
先生と同様で同じ家に住む者として心配しただけのことだ。
君はけっこう周りをびっくりさせることをやってくれるからな。」
「まぁひどい!・・・私は周りにそんなご迷惑をかけたことはないです。
今はすっかり不機嫌になったんだから、もう心配もなくなったんじゃないの?
私のプライベートに干渉してこないでよ。
家じゃとくにお兄さん風吹かせたい人なのね。」
咲は、雪美がそういって部屋に入ろうとドアノブに手をかけようとした手をひっぱるとぐいっと自分に引き付けた。
引っ張られた勢いで雪美は姿勢が前のめりになって倒れそうになるのを咲に抱きとめられ、その後強く抱きしめられた。
「ああっ!は、離してよ。」
「俺は雪美の兄貴になった覚えはないけど。
大切な人ならば両親にもいずれ紹介することになるだろう?
いい出会いができたのかな?」
「ええ。ほんと、いい出会いよ。
でも、名前も何も知らないわ。いいなと思っただけよ。
咲だってそういうことあるでしょう?
なんでこんなに詰め寄られなきゃいけないのよ。」
「君がかわいいからだ。もういい・・・すまなかった。」
雪美は部屋に素早く入ったものの、咲の言葉に同様せずにいられなかった。
(私がかわいいって・・・。何考えてるの。兄になった覚えはないのにかわいいって。そんなのって・・・ウソっ。)