バーチャルウォーズ

咲は雪美をいじめてしまったことを後悔していた。

(明日になる前にお怒りを鎮めることができればいいんだがな・・・。)

そう思ってパソコンの電源を入れ、グリーンアライブにログインした。


(よかった。兄さんは今日も忙しくて使ってないな。
あとはスノウが現れてくれれば・・・。)



10分ほどしてスノウがゲームにログインしてきた。


(来た!)


流輝「こんばんわ。今夜も少し狩りに行かない?」


スノウ「いいですよ。約束ですし、今日はおいしいケーキをごちそうになったお礼も言いたかったんです。

でも、明日お仕事大丈夫ですか?
お店に出るようになって大変なんでしょう。」



(ごちそうになった?・・・スノウはリアルの流輝に会ったということなのか?)


流輝「うん、思ってたより準備がはかどってね。
余裕ができたから、君と話したくて。」


(もしも、兄さんが雪美に会ったのなら反応があるはずだ。)


スノウ「わぁ、とってもうれしいです!
私、今夜はログインしても会えないかなって思ってました。

でも、ログインする前にちょっと腹立たしいことがあって。」


流輝「腹立たしいことって?よかったら話してみて。」



スノウ「あ、でも流輝さんはネットだけの人じゃなくなっちゃったから言いたくありません。

チャットで今話すよりも、またお店で会ったときにでも直接グチは言わせてください。」


流輝「君がそういうなら仕方がないね。
でも、また・・・って言われると気になっちゃうな。」


スノウ「ごめんなさい。
文字にするのは苦手だし、誤解されそうで怖いし、それに流輝さんとこうやってお話したら腹立たしいことも気にならなくなってきたから。」



流輝「そういってもらえるとうれしいけど、今度リアルで会ったら俺が君を怒らせてしまうかもしれないよ。」


スノウ「そんなことはないですよ。流輝さんは大人じゃないですか。
私なんて小娘ですから、流輝さんからすれば私の話なんて戯言にしかきこえないと思います。」



流輝「どうしてそう勝手に決めつけてしまうのかな。
少なくとも、相手に聞く余裕があるのが見えたならあまえてみるのもいいと思うよ。」



スノウ「そうですね・・・。じゃ、今度めっちゃめちゃあまえさせてもらおうかしら。(*^_^*)」



流輝「そ、それは困る”」


スノウ「えっ?もしかして・・・流輝さんは彼女さんがおらえるんですか?」



流輝「ま、まぁ・・・ね。いちおうここだけの話にしててね。」



スノウ「そっか。客商売ですもんね。
流輝さん目当ての女性客がいないとお店も大変ですね。」


流輝「そ、そうなんだ。気を遣わせてごめんね。
でも、ここで会った縁もあるわけだし、親友でいてほしいな。」


スノウ「了解です。じゃ、そろそろおちますね。おやすみなさい。」


流輝「おやすみ~」




(流輝さんは好きな人いるんだぁ・・・。
まあ、しようがないね。やさしいし、見た目いいし、ケーキはおいしいんだもん・・・。はぁ・・・。)


雪美はツイてない日だったと自分なりに結論づけて眠った。
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