バーチャルウォーズ
帰り道・・・電車を降りてから、雪美の2m後ろを咲が歩いて家まで向かう。
「先輩、ずっとそのまま歩いているとストーカーに間違われると思いますよ!」
「隣を歩くと嫌なんだろう?仕方ないじゃないか、同じ方向なんだから。」
「じゃ、さりげなく隣を歩いてください。」
「さりげなくって・・・何なんだよ。
竹井といっしょにいるときはベッタリくっついてるときもあるくせに。」
「竹井先輩っていい匂いがするんですよ。
さすが・・・っていうのも変だけど、なんかお姉さんみたいな。」
「顔はともかく、180㎝超えのがっしりしたお姉さん。
想像したくない・・・。
俺は最近、上からキスされそうになった。
正直・・・あいつの隣は立ちたくないな。」
「うわぁ。竹井先輩って猛アタックかけてた?
行動派だなぁ。カッコイイ~」
「そういう行動派が好きなのか?」
「好きっていうか・・・心に思うことをウジウジ考え込まれちゃうとこっちも気持ち悪くなるっていうか、それこそストーカーじゃないけど正体不明の人物って怖いですよ。
好きだからキスしたいって言われたら、タイミングにもよるけど『今は嫌』とか『あなたとしたくない』とか『うん』とか逃げちゃうとか対処しやすいんじゃないかと思うんです。」
「君の場合はタイミングが難しそうだな。」
「えっ?」
「今の話だと腹の虫の居所が悪いと相手はどうなってしまうのかと彼氏の心配をしてしまいそうだ。」
「心配しなくても、私は咲にすり寄っていったりしませんから!
ただいまぁ~~~~」
咲は部屋に鞄を置いて、服を着替えると台所に行って冷蔵庫の中を開けた。
そして手を洗いにきた雪美に声をかける。
「昨日遅くに用意しておいたデザートのムースがあるんだけど、食べないか?」
「ほんと!?食べていいの。もしかしてまたお手製?」
「おお、兄貴にちょっと教えてもらったんだ。さぁどうぞ。」
「ではいただきます。・・・うわぁ!冷たくてさっぱりしておいしい。
甘味残っているのに口の中がべたつかないね。」
「ライムのちっちゃいのが入ってるからね。
っふふふふ・・・。」
「な、なによ!?」
「雪美さっき、俺にすり寄ったりしないって言ったのに、お菓子出したらすぐにすり寄ってきたな。あはははは。」
「それが言いたかったから呼んだの?ひどぉ~~~い!」
「いや、帰ったらいっしょに食べようと思ってたよ。
前の生け花もこれみたいにそうやってよろこんでほしかったんだけどな。」
「あれは、ごめんなさい。咲は口はイジワルだけど、私の嫌がることしないのはわかってるのに。」
「わかればよろしい。どう?おかわり1コならあるよ。」
「ほんとっ?ほしい!!きゃあ、マジおいしいよぉ~」
「そんなにうれしそうに食べてくれるんなら、また何か新しいネタ考えて作っておくよ。」
「いいの?でも・・・咲って女の子よりずっと女らしいことがスラスラできちゃうから・・・竹井先輩が好きになっても仕方がないよねぇ。」
「げっ!!!あのなぁ。勘弁してくれ。
俺が家事がさほど気にならないのは小さい頃から、ばあちゃんにしこまれたからだよ。
うちの収入源はばあちゃんの経営するアパートと兄さんのバイトでさ。
誰かが家の中のことやらなきゃいけなかったし、料理しても生きてくのに必死だったから笑顔でうまいうまいって食べてくれることもなかった。」
「先輩、ずっとそのまま歩いているとストーカーに間違われると思いますよ!」
「隣を歩くと嫌なんだろう?仕方ないじゃないか、同じ方向なんだから。」
「じゃ、さりげなく隣を歩いてください。」
「さりげなくって・・・何なんだよ。
竹井といっしょにいるときはベッタリくっついてるときもあるくせに。」
「竹井先輩っていい匂いがするんですよ。
さすが・・・っていうのも変だけど、なんかお姉さんみたいな。」
「顔はともかく、180㎝超えのがっしりしたお姉さん。
想像したくない・・・。
俺は最近、上からキスされそうになった。
正直・・・あいつの隣は立ちたくないな。」
「うわぁ。竹井先輩って猛アタックかけてた?
行動派だなぁ。カッコイイ~」
「そういう行動派が好きなのか?」
「好きっていうか・・・心に思うことをウジウジ考え込まれちゃうとこっちも気持ち悪くなるっていうか、それこそストーカーじゃないけど正体不明の人物って怖いですよ。
好きだからキスしたいって言われたら、タイミングにもよるけど『今は嫌』とか『あなたとしたくない』とか『うん』とか逃げちゃうとか対処しやすいんじゃないかと思うんです。」
「君の場合はタイミングが難しそうだな。」
「えっ?」
「今の話だと腹の虫の居所が悪いと相手はどうなってしまうのかと彼氏の心配をしてしまいそうだ。」
「心配しなくても、私は咲にすり寄っていったりしませんから!
ただいまぁ~~~~」
咲は部屋に鞄を置いて、服を着替えると台所に行って冷蔵庫の中を開けた。
そして手を洗いにきた雪美に声をかける。
「昨日遅くに用意しておいたデザートのムースがあるんだけど、食べないか?」
「ほんと!?食べていいの。もしかしてまたお手製?」
「おお、兄貴にちょっと教えてもらったんだ。さぁどうぞ。」
「ではいただきます。・・・うわぁ!冷たくてさっぱりしておいしい。
甘味残っているのに口の中がべたつかないね。」
「ライムのちっちゃいのが入ってるからね。
っふふふふ・・・。」
「な、なによ!?」
「雪美さっき、俺にすり寄ったりしないって言ったのに、お菓子出したらすぐにすり寄ってきたな。あはははは。」
「それが言いたかったから呼んだの?ひどぉ~~~い!」
「いや、帰ったらいっしょに食べようと思ってたよ。
前の生け花もこれみたいにそうやってよろこんでほしかったんだけどな。」
「あれは、ごめんなさい。咲は口はイジワルだけど、私の嫌がることしないのはわかってるのに。」
「わかればよろしい。どう?おかわり1コならあるよ。」
「ほんとっ?ほしい!!きゃあ、マジおいしいよぉ~」
「そんなにうれしそうに食べてくれるんなら、また何か新しいネタ考えて作っておくよ。」
「いいの?でも・・・咲って女の子よりずっと女らしいことがスラスラできちゃうから・・・竹井先輩が好きになっても仕方がないよねぇ。」
「げっ!!!あのなぁ。勘弁してくれ。
俺が家事がさほど気にならないのは小さい頃から、ばあちゃんにしこまれたからだよ。
うちの収入源はばあちゃんの経営するアパートと兄さんのバイトでさ。
誰かが家の中のことやらなきゃいけなかったし、料理しても生きてくのに必死だったから笑顔でうまいうまいって食べてくれることもなかった。」