バーチャルウォーズ
雪美が咲の部屋のドアを少し開けて、中の様子を見ると咲は窓を開けて外を眺めていた。
(あれ・・・もう大丈夫なのかな。)
雪美は先の部屋に入ってからドアをたたいた。
「トントン、もう入っちゃったけど・・・大丈夫なの?」
咲は少し頭を押さえながら、
「ごめん、迷惑をかけてしまって。
さっき目が覚めて、水飲んで風にあたってた。
飲まないようにしてたんだけど、あの子が・・・竹井妹が無理やり自分の部屋まで行こうとか言いだしたんで、テーブルにあったお酒をわかってないフリをして飲んだんだ。
思ったより酔いがまわった・・・。」
「お嬢様のエスコートも楽じゃないわね。
じゃ・・・おやすみ~」
「ま、待てよ。痛っ・・・。ききたいことがある。」
「何?」
「兄がここに来ただろ。何かしゃべった?
ここにどのくらいの時間居た?」
「咲がお嬢様を送っていったことと、新作を持ってまた来るとか。
松永先輩も来たし、20分もいなかったと思う。」
「どうして松永が?同居してたのがバレたんだな。」
「同居してたのは知ってたの。
輝人さんがセクハラ疑惑があって追跡してきたら、家の表札を見てしまってびっくりしたんだっていうから、だったら家の中も見てもらってやましいところがないことを証明するからって私が言ってきてもらったの。」
「そんなところからバレてたのか。月曜からめんどくさいな。
咲はとくにめんどくさそうね。
竹井真菜さんのエスコートは当然夏祭りもなんでしょうし。
手取り、足取りご指導してもらえばいいんじゃない。
じゃ・・・」
「待てって・・・。迷惑かけたけど、そんなにつっかかるなよ。
それじゃ、まるで・・・やきもちに見える。」
「あ~らすごい自信。いかにも僕はモテますって?
はい、お疲れさまでした。じゃ・・・」
「だ、だから待てっ!俺は・・・」
「きゃっ・・・」
咲は雪美の腕をひっぱるなり後ろから抱きしめて言った。
「やきもちだったらうれしいから。
今は何を言っても怒られるだろうし、頭の中がぼやけて気のきいた言葉は言えないけど・・・その分・・・酔って本音でしゃべれる。
松永が好きなのか?
どうして学校で竹井といっしょに居る時間が長いんだ!
俺は嫉妬深くて、まだ何の力も金もないけど、雪美が大好きだ。
そばに居たい。
そばに居てほしい。デートしたいし、キスしたいと思ってる。」
「ええぇぇぇぇ!!あ、あの・・・まず酔いを醒ましてから。ねっ。」
「醒ましたら、キスしてくれる?」
「う、うん。(完全にいっちゃってるこいつ!)」
雪美は咲の腕の力が緩んだところで、咲のテニスウェアの入ったスポーツバッグを咲に抱かせて、ベッドへ向かって後ろから押してやった。
咲はベッドにバタッと倒れこんでバッグを愛おしそうに抱いて眠った。
「ふぅ・・・。でも、イケメンっていうよりかわいい顔して寝てる。
私も咲が大好きだよ・・・なんてね。おやすみ。」
雪美は自室にもどって胸が熱くなるのを感じた。
(なんで、輝人さんにキスされたときはどきどきしたはずなのに、熱くならなかったんだろう・・・。)
(あれ・・・もう大丈夫なのかな。)
雪美は先の部屋に入ってからドアをたたいた。
「トントン、もう入っちゃったけど・・・大丈夫なの?」
咲は少し頭を押さえながら、
「ごめん、迷惑をかけてしまって。
さっき目が覚めて、水飲んで風にあたってた。
飲まないようにしてたんだけど、あの子が・・・竹井妹が無理やり自分の部屋まで行こうとか言いだしたんで、テーブルにあったお酒をわかってないフリをして飲んだんだ。
思ったより酔いがまわった・・・。」
「お嬢様のエスコートも楽じゃないわね。
じゃ・・・おやすみ~」
「ま、待てよ。痛っ・・・。ききたいことがある。」
「何?」
「兄がここに来ただろ。何かしゃべった?
ここにどのくらいの時間居た?」
「咲がお嬢様を送っていったことと、新作を持ってまた来るとか。
松永先輩も来たし、20分もいなかったと思う。」
「どうして松永が?同居してたのがバレたんだな。」
「同居してたのは知ってたの。
輝人さんがセクハラ疑惑があって追跡してきたら、家の表札を見てしまってびっくりしたんだっていうから、だったら家の中も見てもらってやましいところがないことを証明するからって私が言ってきてもらったの。」
「そんなところからバレてたのか。月曜からめんどくさいな。
咲はとくにめんどくさそうね。
竹井真菜さんのエスコートは当然夏祭りもなんでしょうし。
手取り、足取りご指導してもらえばいいんじゃない。
じゃ・・・」
「待てって・・・。迷惑かけたけど、そんなにつっかかるなよ。
それじゃ、まるで・・・やきもちに見える。」
「あ~らすごい自信。いかにも僕はモテますって?
はい、お疲れさまでした。じゃ・・・」
「だ、だから待てっ!俺は・・・」
「きゃっ・・・」
咲は雪美の腕をひっぱるなり後ろから抱きしめて言った。
「やきもちだったらうれしいから。
今は何を言っても怒られるだろうし、頭の中がぼやけて気のきいた言葉は言えないけど・・・その分・・・酔って本音でしゃべれる。
松永が好きなのか?
どうして学校で竹井といっしょに居る時間が長いんだ!
俺は嫉妬深くて、まだ何の力も金もないけど、雪美が大好きだ。
そばに居たい。
そばに居てほしい。デートしたいし、キスしたいと思ってる。」
「ええぇぇぇぇ!!あ、あの・・・まず酔いを醒ましてから。ねっ。」
「醒ましたら、キスしてくれる?」
「う、うん。(完全にいっちゃってるこいつ!)」
雪美は咲の腕の力が緩んだところで、咲のテニスウェアの入ったスポーツバッグを咲に抱かせて、ベッドへ向かって後ろから押してやった。
咲はベッドにバタッと倒れこんでバッグを愛おしそうに抱いて眠った。
「ふぅ・・・。でも、イケメンっていうよりかわいい顔して寝てる。
私も咲が大好きだよ・・・なんてね。おやすみ。」
雪美は自室にもどって胸が熱くなるのを感じた。
(なんで、輝人さんにキスされたときはどきどきしたはずなのに、熱くならなかったんだろう・・・。)