バーチャルウォーズ
愕然として膝を床におとした咲だったが、ネットゲームに何か秘密があるかもしれないと自分のパソコンを起動して兄のIDとパスワードを入力して流輝を呼び出した。
「これは兄が遊んでいるゲームの兄が扱っているキャラだ。
以前、俺は兄になりすまして、雪美とチャットをして俺に対する気持ちをさぐったことがある。
雪美はゲームの中の流輝にはとても素直だ。
現実の俺を好きじゃないってさらっと言って流輝が好きだと告白してた。
俺はそのとき、俺が兄さんに代わって誘導するチャットをしたから、雪美が心を開いてくれたと思ってた。
でも・・・俺の知らないところで雪美が兄さんとかかわっていたなんて、ぜんぜん知らなかった。」
「わかったわかった・・・咲、思いつめるなよ。
おまえと兄さんは見かけが似ていても別の個体だ。
中身はもともと備わった資質に経験がくっついて今の君たち兄弟がいる。」
竹井は咲のパソコンに自分のパソコンとわからない機械を使って弓が扱った流輝のログを集めて整理した。
「これだな・・・。雪美を誘ってる」
「なっ!!そんな・・・」
『あのときの君だとどうして気がつかなかったんだろう。
お店にきてゲームの遊び相手として意気投合して、まもなくわかってしまったよ。』
『かわいい君が、すごく美人に成長していて驚いたな。
今すぐに君がほしいね・・・。』
『今の君を連れ出して、前よりももっともっとかわいがってあげるよ。』
『今夜、お父さんの通帳と印鑑を持ってきて。
秘密の場所で逢おう。君も大人だ。身も心も大人の女性として扱ってあげる。』
咲はもう黙ってはいられないと判断し、結衣子にこのことを伝えて通帳と印鑑がなくなっていないか尋ねてみた。
「ま、まぁ・・・弓クンがそんなことになっていたなんて。
でも、変なのよ。通帳と印鑑はなくなっているのにお金は引き出されていないわ。
銀行には出金できないようにしてもらったし、さっきお父さんに電話できいたら、印鑑はお父さんが会社で使ってる認印だっていうの。
だから・・・雪美は印鑑を間違えて渡したんだと思うの。」
「じゃ、また仕掛けてくる可能性大だな。
咲、つらいだろうけど・・・お兄さんは犯罪者だ。
見過ごせないことだよ。もしかしたら、雪美も騙されて抱かれてしまっているかもしれない。
その詳細は雪美の心のガードが強くてわからない。」
「兄さんの目的はお金だ。俺の学費も調達するために自分の学歴はほったらかしでバイトして修行してがんばってくれたけど・・・雪美を利用するなんて許せない。
俺は雪美に合わせる顔がない。
だけど・・・記憶はもどして兄の呪縛から解き放たなければ!
おばさん、申し訳ありません。俺、ここを出ます。」
「それはダメ。弓クンのことは残念だけど、だからこそ、あなたは雪美と私たちのためにここでがんばってほしいわ。
でもどうしても顔向けできなくてつらいっていうなら、せめて高校を卒業するまで・・・ね。
学費とか経費面は私たちでみるわ。
これはきっとお父さんもそういうと思うし、私の願いよ。
だって、咲クンは私の自慢の息子なんだもの。」
「ありがとうございます・・・。とにかく、雪美をもとにもどしてからよく考えることにします。
なぁ、竹井・・・通帳と印鑑なんて子どもでも普通他人に渡さないんじゃないのか?」
「そうだね。たぶん、共犯者がいるのかもしれない。
雪美の様子だと催眠術で何かキーワードが刷り込まれている感じなんだけど。」
「キーワード・・・ねぇ。もしや!
雪美、雪美!・・・スノウさん、スノウ、スノウさん!」
雪美がスノウさんという言葉に反応して顔を動かした。
「スノウさん、手を触らせて。」
雪美は咲にそういわれて、手を差し出した。
「スノウさんと呼ばれて、命令を受けていたんだ。
この方法で何かしらやってくるかもね。」
「俺、スノウさんに成りすましてみるよ。
雪美のIDとパス教えろ!」
「きゃあ~もう、咲ったらすっごいSモード!
これっていけないことなのよ~っていいながら、はい。
だけどお兄さんはもうすぐ破滅になっちゃうけどいいんだね。」
「うん。覚悟はできてる。
もう、雪美を好きにさせない。
俺のここでの父さんと母さんを泣かせたりしない!
俺がこの家を守るから。
それしか、今、俺にはできないから。」
「これは兄が遊んでいるゲームの兄が扱っているキャラだ。
以前、俺は兄になりすまして、雪美とチャットをして俺に対する気持ちをさぐったことがある。
雪美はゲームの中の流輝にはとても素直だ。
現実の俺を好きじゃないってさらっと言って流輝が好きだと告白してた。
俺はそのとき、俺が兄さんに代わって誘導するチャットをしたから、雪美が心を開いてくれたと思ってた。
でも・・・俺の知らないところで雪美が兄さんとかかわっていたなんて、ぜんぜん知らなかった。」
「わかったわかった・・・咲、思いつめるなよ。
おまえと兄さんは見かけが似ていても別の個体だ。
中身はもともと備わった資質に経験がくっついて今の君たち兄弟がいる。」
竹井は咲のパソコンに自分のパソコンとわからない機械を使って弓が扱った流輝のログを集めて整理した。
「これだな・・・。雪美を誘ってる」
「なっ!!そんな・・・」
『あのときの君だとどうして気がつかなかったんだろう。
お店にきてゲームの遊び相手として意気投合して、まもなくわかってしまったよ。』
『かわいい君が、すごく美人に成長していて驚いたな。
今すぐに君がほしいね・・・。』
『今の君を連れ出して、前よりももっともっとかわいがってあげるよ。』
『今夜、お父さんの通帳と印鑑を持ってきて。
秘密の場所で逢おう。君も大人だ。身も心も大人の女性として扱ってあげる。』
咲はもう黙ってはいられないと判断し、結衣子にこのことを伝えて通帳と印鑑がなくなっていないか尋ねてみた。
「ま、まぁ・・・弓クンがそんなことになっていたなんて。
でも、変なのよ。通帳と印鑑はなくなっているのにお金は引き出されていないわ。
銀行には出金できないようにしてもらったし、さっきお父さんに電話できいたら、印鑑はお父さんが会社で使ってる認印だっていうの。
だから・・・雪美は印鑑を間違えて渡したんだと思うの。」
「じゃ、また仕掛けてくる可能性大だな。
咲、つらいだろうけど・・・お兄さんは犯罪者だ。
見過ごせないことだよ。もしかしたら、雪美も騙されて抱かれてしまっているかもしれない。
その詳細は雪美の心のガードが強くてわからない。」
「兄さんの目的はお金だ。俺の学費も調達するために自分の学歴はほったらかしでバイトして修行してがんばってくれたけど・・・雪美を利用するなんて許せない。
俺は雪美に合わせる顔がない。
だけど・・・記憶はもどして兄の呪縛から解き放たなければ!
おばさん、申し訳ありません。俺、ここを出ます。」
「それはダメ。弓クンのことは残念だけど、だからこそ、あなたは雪美と私たちのためにここでがんばってほしいわ。
でもどうしても顔向けできなくてつらいっていうなら、せめて高校を卒業するまで・・・ね。
学費とか経費面は私たちでみるわ。
これはきっとお父さんもそういうと思うし、私の願いよ。
だって、咲クンは私の自慢の息子なんだもの。」
「ありがとうございます・・・。とにかく、雪美をもとにもどしてからよく考えることにします。
なぁ、竹井・・・通帳と印鑑なんて子どもでも普通他人に渡さないんじゃないのか?」
「そうだね。たぶん、共犯者がいるのかもしれない。
雪美の様子だと催眠術で何かキーワードが刷り込まれている感じなんだけど。」
「キーワード・・・ねぇ。もしや!
雪美、雪美!・・・スノウさん、スノウ、スノウさん!」
雪美がスノウさんという言葉に反応して顔を動かした。
「スノウさん、手を触らせて。」
雪美は咲にそういわれて、手を差し出した。
「スノウさんと呼ばれて、命令を受けていたんだ。
この方法で何かしらやってくるかもね。」
「俺、スノウさんに成りすましてみるよ。
雪美のIDとパス教えろ!」
「きゃあ~もう、咲ったらすっごいSモード!
これっていけないことなのよ~っていいながら、はい。
だけどお兄さんはもうすぐ破滅になっちゃうけどいいんだね。」
「うん。覚悟はできてる。
もう、雪美を好きにさせない。
俺のここでの父さんと母さんを泣かせたりしない!
俺がこの家を守るから。
それしか、今、俺にはできないから。」