バーチャルウォーズ
別れのキス
咲はあらかじめ兄の弓に電話をして、雪美の記憶がもどりそうな様子を話した。
そして今夜は記憶がどのくらいあるか知りたいからネットゲームをすると雪美が言っていたと弓に伝えた。
(これで・・・兄さんがログインしてくれればいいけど・・・。
いや、きっと食いついてくる!)
そして咲は雪美のフリをしてゲームにログインした。
他のギルドメンバーたちにはなるべく、口数少ないようにして雪美の会話クセを思い出しながら接した。
その間に、竹井は雪美の古い呪縛を解く作業に入った。
「しかし・・・竹井はほんとにすごい技いっぱい持ってるんだな。
俺なんか、先生やってるっていっても自分の担当の勉強でいっぱいなのに。」
「先生は凡人だからですよ。俺は、ほら天才だからねっ!
博士号も持ってるし、日本の学校はほんとにつまんなかったんです。
でも・・・咲や雪美たちのいるうちの学校って、古ぼけた規則を大切にしながらじつはいちばん斬新だなって教えてもらった気がするんだよね。
飛び級なんかと違う何かみんなで知恵を出し合おう、みんなでやってみようって部分が妹がやったイジワルを完全にはねのけてしまった。
そして今度は・・・ふふふ。」
「な、なんだよ!気持ち悪い笑いだな。」
「先生と咲は敵対関係じゃなかった?
それが、雪美のこととなったらこの協力体制って何?」
「そ、それはなぁ。お互い雪美の幸せを第1に考えてるからだよ。
俺たちはお互いを嫌ってた。
けどな、今のあいつを見ていて邪魔をしようとか、悪い兄だからあいつも悪いやつだとは思えないんだよ。
見て見ぬふりをせず、じつの兄をたたきのめして正気を取り戻させようともがいてる・・・。きっと兄に恨まれるのを承知で。
浅岡のおじさんとおばさんへの感謝の気持ちをあたりまえに発してるあいつは十分大人だよ。」
「へえ、負けを認めちゃうのか・・・。簡単だったな。」
「いや、俺はまだ雪美からごめんなさいは言われてないから。」
「襲って警戒されてしまってるからそばでしゃべってないってだけだろ。」
「おまえねぇ。おまえだってゲイで咲愛してるって言ってたクセに、何だよ。」
「俺は雪美を助けたい。咲は愛してるけど、咲が幸せじゃなければ俺はここにいるべきじゃない。
どっちも好きだってことだけどな。
雪美はみんなが俺をひいていたときから、すごいね~すごいね~って俺の知識に感心ばっかりしてさ。
でも、何度も笑顔で接してくれるあの子に心が癒された。
だから、悪魔の呪縛を俺が引きちぎってやる。
そうすれば、咲も癒される。」
竹井は悪魔祓いさながらに、雪美にパラパラと蒸留水をかけ、謎の呪文を呟き続けていた。
「ま、まじか・・・。」
雪美が何かにおびえるような声を上げ始めていた。
「こ、来ないで!言うこときくから来ないで。何でもするから来ないで。
う・・・あ・・・あなたじゃない!
違うの・・・さ・・・咲。
さ・・・き・・・咲ぃぃぃーーーーー!」
「どうやら、キモ兄貴に肉体をどうにかされちゃったわけじゃないみたいだね。
言葉の暴力・・・。言葉の鍵がかけられて、狙いは金だね。
それなら大丈夫。比較的根が浅いから、うまくいけば今日中に記憶がもどるかもしれない。」
「おっし!竹井、がんばってくれ。俺がついてるぞ。」
「先生は趣味じゃないって。」
「俺もそんなのおまえに言われたくね~よ。まぁがんばれ。」
そして今夜は記憶がどのくらいあるか知りたいからネットゲームをすると雪美が言っていたと弓に伝えた。
(これで・・・兄さんがログインしてくれればいいけど・・・。
いや、きっと食いついてくる!)
そして咲は雪美のフリをしてゲームにログインした。
他のギルドメンバーたちにはなるべく、口数少ないようにして雪美の会話クセを思い出しながら接した。
その間に、竹井は雪美の古い呪縛を解く作業に入った。
「しかし・・・竹井はほんとにすごい技いっぱい持ってるんだな。
俺なんか、先生やってるっていっても自分の担当の勉強でいっぱいなのに。」
「先生は凡人だからですよ。俺は、ほら天才だからねっ!
博士号も持ってるし、日本の学校はほんとにつまんなかったんです。
でも・・・咲や雪美たちのいるうちの学校って、古ぼけた規則を大切にしながらじつはいちばん斬新だなって教えてもらった気がするんだよね。
飛び級なんかと違う何かみんなで知恵を出し合おう、みんなでやってみようって部分が妹がやったイジワルを完全にはねのけてしまった。
そして今度は・・・ふふふ。」
「な、なんだよ!気持ち悪い笑いだな。」
「先生と咲は敵対関係じゃなかった?
それが、雪美のこととなったらこの協力体制って何?」
「そ、それはなぁ。お互い雪美の幸せを第1に考えてるからだよ。
俺たちはお互いを嫌ってた。
けどな、今のあいつを見ていて邪魔をしようとか、悪い兄だからあいつも悪いやつだとは思えないんだよ。
見て見ぬふりをせず、じつの兄をたたきのめして正気を取り戻させようともがいてる・・・。きっと兄に恨まれるのを承知で。
浅岡のおじさんとおばさんへの感謝の気持ちをあたりまえに発してるあいつは十分大人だよ。」
「へえ、負けを認めちゃうのか・・・。簡単だったな。」
「いや、俺はまだ雪美からごめんなさいは言われてないから。」
「襲って警戒されてしまってるからそばでしゃべってないってだけだろ。」
「おまえねぇ。おまえだってゲイで咲愛してるって言ってたクセに、何だよ。」
「俺は雪美を助けたい。咲は愛してるけど、咲が幸せじゃなければ俺はここにいるべきじゃない。
どっちも好きだってことだけどな。
雪美はみんなが俺をひいていたときから、すごいね~すごいね~って俺の知識に感心ばっかりしてさ。
でも、何度も笑顔で接してくれるあの子に心が癒された。
だから、悪魔の呪縛を俺が引きちぎってやる。
そうすれば、咲も癒される。」
竹井は悪魔祓いさながらに、雪美にパラパラと蒸留水をかけ、謎の呪文を呟き続けていた。
「ま、まじか・・・。」
雪美が何かにおびえるような声を上げ始めていた。
「こ、来ないで!言うこときくから来ないで。何でもするから来ないで。
う・・・あ・・・あなたじゃない!
違うの・・・さ・・・咲。
さ・・・き・・・咲ぃぃぃーーーーー!」
「どうやら、キモ兄貴に肉体をどうにかされちゃったわけじゃないみたいだね。
言葉の暴力・・・。言葉の鍵がかけられて、狙いは金だね。
それなら大丈夫。比較的根が浅いから、うまくいけば今日中に記憶がもどるかもしれない。」
「おっし!竹井、がんばってくれ。俺がついてるぞ。」
「先生は趣味じゃないって。」
「俺もそんなのおまえに言われたくね~よ。まぁがんばれ。」