バーチャルウォーズ
ちょっぴり大人の恋心
咲からも元気でがんばっている程度の連絡しかなく、今年も父の会社でアルバイトしながら夜は受験勉強をこなす雪美だった。
「やあ、今年も来たね。」
「マーク、パティさん・・・じゃなくてバーバラさん。
夏風邪でダウンしちゃったってきいたけど大丈夫なの?」
「うん、大したことはなかった。
パートはしばらく禁止だったけど、もうすぐ工場へもやってくるさ。
それと・・・マミーはバーバラじゃなくてパティでいくんだって。」
「へっ!?」
「パトリシアの方が日本人相手だとかわいらしくてウケるからいいんだってさ。
まぁ、外人の名前なんてマークでもボブでも変わらないみたいなもんだよね。あはははは。」
「マークはもうスラスラのペラペラに日本語でしゃべってるじゃない。」
「そりゃね~。ユキミ先生に教えてもらってるし。
あ、あのさぁ・・・雪美に提案があるんだけど。」
「なあに?」
「アメリカに留学しないかい?」
「私が留学?」
「そう。咲が留学したみたいに。」
「でも私は咲みたいに社長志望じゃないし、目標低いし・・・。」
「低いって・・・雪美は何がしたいの?」
「えっ・・・言っても笑わないでね。」
「うん。経理事務をしながらお嫁さんになりたいの。」
「はっ?お嫁さんになるのに経理事務って・・・?」
「つまり・・・うちのママみたいになりたいなって。
ごめんなさい!あまりにお気楽な夢でつまんないよね。
平凡すぎて、ぜんぜんグローバルじゃないよね。」
「いい夢だと思うよ。
雪美のママはとっても魅力的だ。
ママのようになりたいって言えるのは素敵な家庭で生まれ育ったってことだし、うらやましいよ。
じゃあ、僕からお願いしようかな。
卒業したら僕のお嫁さんになってアメリカに来てほしい。」
「ええーーーっ!!!
そ、そんな冗談・・・マークったらよくない。」
「本気だ。僕は来年、出向期間を終えて本社へもどることになっている。
マミーもいっしょにアメリカで暮らすことを了解してくれてるし、本社にもどれば収入で家族に不自由なんて絶対させない。
部下もいるし、待遇がこっちよりずっとよくなる。
雪美は経理でもなんでも勉強していいし、僕がバックアップできることがあれば何でもしてあげる。」
「そ、そんな・・・。だって、私はもう受験勉強してるし、それに咲がもどってきたら・・・。」
「あのさ・・・最近、本社のリョウに聞いた話なんだけど、サキはものすごい猛勉強してて、毎日天才レディにつきっきりで勉強を教わっているそうだ。
それでそのレディの家族に気に入られていて、将来的にそこで暮らした方がいいんじゃないかって・・・。」
「ウソよ!そんな連絡ないもの。
私が卒業したら、お祝いにこっちにもどってくるってしか聞いてないわ。」
「ウソは言ってない。男はね、仕事でぐらついていては大切な女性の手は取れないよ。
咲はしっかり学んで、自分と家族を支えられるようにならなきゃいけないだろ?
その時期はまだそこじゃないんだ。
彼は優秀だときいているし、君だって自分が足手まといになりたくないから彼が留学を選んだことに反対しなかったんじゃないの?」
「そ、そうだけど。咲は私のことを・・・。」
「去年の夏休み以降、ぜんぜん君の顔も見に来ないでまだ信じていられる?
卒業式の後も来なかったら?」
「そんなこと・・・。そんなことないと思う。
私の進路のことも聞いておきたいってメールで言ってたし。」
「君が僕のお嫁さんになる選択肢も進路だよ。
・・・・・ごめん。急ぎ過ぎだね。君に世話になってすっかりあまえてしまった。
このままでいられるなら、こんなことは言わなかったんだ。
でもね、アメリカにもどることになってとてもうれしいことなのに、うれしくないのはどうしてなんだろうって思ったら、雪美と離れたくないって思った。」
「マークがもうちょっとうちの会社にいることはできないの?
遼先輩にお願いしてみても・・・」
「それはダメ。リョウはビジネスにはきびしい。
それに僕だって人並みに出世したいと思っているし、リョウは僕に期待してくれてる。
無理なお願いできいてもらえないなら仕方がないけど、僕は雪美が好きだ。
雪美は僕が嫌い?」
「そんなこと急に言われても困るわ。」
「わかってる。まだ卒業まで時間はあるし、真剣に考えていてほしいんだ。」
「やあ、今年も来たね。」
「マーク、パティさん・・・じゃなくてバーバラさん。
夏風邪でダウンしちゃったってきいたけど大丈夫なの?」
「うん、大したことはなかった。
パートはしばらく禁止だったけど、もうすぐ工場へもやってくるさ。
それと・・・マミーはバーバラじゃなくてパティでいくんだって。」
「へっ!?」
「パトリシアの方が日本人相手だとかわいらしくてウケるからいいんだってさ。
まぁ、外人の名前なんてマークでもボブでも変わらないみたいなもんだよね。あはははは。」
「マークはもうスラスラのペラペラに日本語でしゃべってるじゃない。」
「そりゃね~。ユキミ先生に教えてもらってるし。
あ、あのさぁ・・・雪美に提案があるんだけど。」
「なあに?」
「アメリカに留学しないかい?」
「私が留学?」
「そう。咲が留学したみたいに。」
「でも私は咲みたいに社長志望じゃないし、目標低いし・・・。」
「低いって・・・雪美は何がしたいの?」
「えっ・・・言っても笑わないでね。」
「うん。経理事務をしながらお嫁さんになりたいの。」
「はっ?お嫁さんになるのに経理事務って・・・?」
「つまり・・・うちのママみたいになりたいなって。
ごめんなさい!あまりにお気楽な夢でつまんないよね。
平凡すぎて、ぜんぜんグローバルじゃないよね。」
「いい夢だと思うよ。
雪美のママはとっても魅力的だ。
ママのようになりたいって言えるのは素敵な家庭で生まれ育ったってことだし、うらやましいよ。
じゃあ、僕からお願いしようかな。
卒業したら僕のお嫁さんになってアメリカに来てほしい。」
「ええーーーっ!!!
そ、そんな冗談・・・マークったらよくない。」
「本気だ。僕は来年、出向期間を終えて本社へもどることになっている。
マミーもいっしょにアメリカで暮らすことを了解してくれてるし、本社にもどれば収入で家族に不自由なんて絶対させない。
部下もいるし、待遇がこっちよりずっとよくなる。
雪美は経理でもなんでも勉強していいし、僕がバックアップできることがあれば何でもしてあげる。」
「そ、そんな・・・。だって、私はもう受験勉強してるし、それに咲がもどってきたら・・・。」
「あのさ・・・最近、本社のリョウに聞いた話なんだけど、サキはものすごい猛勉強してて、毎日天才レディにつきっきりで勉強を教わっているそうだ。
それでそのレディの家族に気に入られていて、将来的にそこで暮らした方がいいんじゃないかって・・・。」
「ウソよ!そんな連絡ないもの。
私が卒業したら、お祝いにこっちにもどってくるってしか聞いてないわ。」
「ウソは言ってない。男はね、仕事でぐらついていては大切な女性の手は取れないよ。
咲はしっかり学んで、自分と家族を支えられるようにならなきゃいけないだろ?
その時期はまだそこじゃないんだ。
彼は優秀だときいているし、君だって自分が足手まといになりたくないから彼が留学を選んだことに反対しなかったんじゃないの?」
「そ、そうだけど。咲は私のことを・・・。」
「去年の夏休み以降、ぜんぜん君の顔も見に来ないでまだ信じていられる?
卒業式の後も来なかったら?」
「そんなこと・・・。そんなことないと思う。
私の進路のことも聞いておきたいってメールで言ってたし。」
「君が僕のお嫁さんになる選択肢も進路だよ。
・・・・・ごめん。急ぎ過ぎだね。君に世話になってすっかりあまえてしまった。
このままでいられるなら、こんなことは言わなかったんだ。
でもね、アメリカにもどることになってとてもうれしいことなのに、うれしくないのはどうしてなんだろうって思ったら、雪美と離れたくないって思った。」
「マークがもうちょっとうちの会社にいることはできないの?
遼先輩にお願いしてみても・・・」
「それはダメ。リョウはビジネスにはきびしい。
それに僕だって人並みに出世したいと思っているし、リョウは僕に期待してくれてる。
無理なお願いできいてもらえないなら仕方がないけど、僕は雪美が好きだ。
雪美は僕が嫌い?」
「そんなこと急に言われても困るわ。」
「わかってる。まだ卒業まで時間はあるし、真剣に考えていてほしいんだ。」