海底の王国〈外伝〉

「た、たぶん大丈夫…浮いているだけなら…目は開けなくてもいいなら…」

「…ＯＫ、それで十分だよ…その代わり、ふり落とされないように、つかまっててくれる？」

「了解したわ…」

フレイヤはレンリの腕につかまると、飛行呪文を唱えた…
すると、フワリとフレイヤの体が１０センチほど宙に浮き上がった。

「…じゃあ、超特急で…！」

レンリは笑みを浮かべると早口に呪文を唱え、真っ青に晴れた空に向かって飛び立った。

「うぎゃ〜〜〜！？！」

いきなり飛行状態になり加速を増したため、フレイヤは、口から心臓が飛び出んばかりの大声を上げて絶叫した。




「はぁはぁはぁ…し・死ぬかと思った…」

フレイヤは地面に両手をつくと、岩山の感しょくを確かめた。

「…本当にダメなんだね…ずっと目、閉じっぱなしだったし…」

そう言うとレンリは、来る途中この岩山に向かって避難がはじまっている様子を、上空から確認出来たと伝えた。

「…やるわね…ミカサにロラン様」