星月の君




 日が沈み、空は闇色に染まった。父らはまだ昔の話に花を咲かせているようである。



 ―――眠ってしまえばいい。



 だがそう思ったところで簡単に寝られるはずもなく。
 少しあたりを散歩しようと思った。



 空には、たくさんの星が見える。
 雲も見当たらぬその星空は、月の明るさと同じくらい、明るい夜としていた。




 ―――月には姫が住むという。なら、星にだっているのではないか。




 そう私が思っていると、どこからか笛の音が聞こえた。上手いとは言い難い。だがあまり聞きなれないその音は、すっと染み込むようだった。

 その笛の音の主を探すように、私は進んでいった。



 そして、薄ぼんやりとした中で、それを見つけた。




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