【BL】愛、言葉


「どうした?」
「兄さん………僕は……っ」



とっさに僕の口を塞ごうとした兄さん。

その手を僕は掴んだ。



「もう辛いんだ……何も言わないでいるのは……。兄さん、僕は…………ずっと好きだった。」
「……………」
「例え血を分けた兄弟だとしても、僕は……兄さんが好きだ。」
「…………」



兄さんは瞠目して僕を見下ろしていた。


僕は拭いもせず、涙を流した。


「………馬鹿だな。」
「え……?」



兄さんは息を小さく吐き出すと、優しく僕の頭を撫でた。



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