Double★Star.
『…ごめん。』
沈黙…
そしてまた撮影やりなおし…
でも綺羅の顔が近づいてくると…決まって顔をそらしてしまう。
そしてもう6回目のNG…
『優ちゃ〜ん。頼むよ。時間の都合で次がラストチャンスだからね。』
監督が少し困った顔でそう言ってくる…。
そしてもう一度観覧車が回り出す…
そして綺羅が私を抱きしめるシーンになった。
もしまた顔をそらしてしまったら、もう次はない…
なんか…手が震えてきた。
『おい…』
そしたら突然…綺羅が本当に小声でそう言ってきた…。
『力抜け…。無理すんな。』
『…は?』
綺羅に手を握られて…
私が戸惑っている間に…顔が近づいてくる…
そして直前で停止した…
え……
カメラには綺羅の頭が映っていて…まわりには本当にキスしているように見えていると思う…
そしてその瞬間、私達を夕日の光が照らした…
何これ……
体中が熱い…
鼓動がどんどん早くなる…
こんなに近くで…
ばっちり綺羅と目が合ってて…
なんかすごく変な気分…