ベストマリアージュ
あれから、私は何も手につかず、パートと家の往復をするだけの日々を過ごしていた。
さとしに会うことも、大地から連絡がくることもなく、自分がまるでいらないもののように感じた二ヶ月
あんなに頑張っていたおしゃれにも気を使わなくなり、季節が移り変わっても、さとしが選んでくれた服をいつまでも着ているといった有り様だ。
顎くらいに切り揃えられていた髪も、今では肩につくくらい伸びていた。
このまま、毎日がぼんやりと通りすぎて、歳を取っていくのかと思うと、虚しさでいっぱいになる。
いつまでも実家にお世話になってるわけにもいかず、私はただ生きているのが辛かった。
「珠美?あんた最近変よ?どうしたの?」
夕飯の時に、母にそう言われてドキッとした。
父はまだ仕事から帰っておらず、母と二人の夕食だ。
「そんなことないよ?
なんにもないし……」
精一杯笑ってそう言ったつもりだったのに、さすがは母だ、騙されてはくれない。