ベストマリアージュ
母がチラリとこちらを見て、軽く睨んでくる。


食事の時にまで携帯を持ち込んでいることを咎めているんだろう。


最近の私に連絡をくれる人なんてほとんどいない。


だから誰からなのか気になった。


でも母の手前、今は確認するのを諦めて、食事を終わらせることに専念する。


「いいの?見なくて」


母が嫌味っぽく聞いてくる。


見たら怒るくせにと思いながら、後で見るからと母の顔は見ずに、答えた。


部屋に戻りベッドに腰掛けると、携帯を開いてさっきのメールを確認した。


(大地?なんで……)


受信欄には大地の名前が、当たり前のように居座っていた。


自分の中では終わっていた事が、また掘り起こされる気分になる。


二ヶ月前、大地と寝たことで、私は自己嫌悪に陥ってるというのに……


(いまさら……なに?)


苛ついた気持ちでメールを開くと、そこには有り得ない言葉があった。
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