ベストマリアージュ
リビングのソファーに座らされて、今お茶淹れてくるわね?なんて、おばさんは嬉しそうにキッチンに向かう。


戻ってきたときには、紅茶とチーズケーキがテーブルに並べられていた。


「良かったら食べて?

おばさんが作ったんだけど、さとしったら最近、全然食べてくれなくて……

前は美味しいって食べてくれたのに、男の子はつまんないわねぇ?」


小さく溜め息をつくおばさんは、ずいぶん会わない間に老けた気がした。


「あの、じゃあ……いただきます」


少しでも元気になってほしくて、急いでチーズケーキを一口頬張る。


「美味しい!」


手作りと聞いてあまり期待していなかったのに、売ってるものみたいに美味しくてビックリした。


「ほんと!?やっぱり女の子はいいわねぇ

一応、おばさんの得意なやつなのよ?」


フフフと笑ったおばさんは本当に嬉しそうで、私までなんだか嬉しくなってしまう。


「今度、教えてもらえますか?」


だからかな?気がついたらそんなことを口走ってた。


「ほんと?

もぉ、おばさん本気にしちゃうわよ?」


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