ベストマリアージュ
大地と過ごした3年間を思い出して、眠れない日々が続いていた。


眠ると悲しい夢を見て泣きながら目が覚めたこともある。


忘れようとしても忘れられない。


いっそのこと、私のことが嫌いになったって言ってくれたら良かったのに……


『珠美のことは好きだよ?でもそれ以上に彼女のことが好きなんだ』


その言葉が胸に突き刺さる。


パジャマの上から体のラインを眺めてみた。


結婚して3年の間に少し太ったかもしれない。


幸せだと信じていたから、努力もしなくなっていたのかも……


知り合った頃は細身で華奢な印象だった私の体は、下腹部に少しだけぷよっとしたお肉が乗るようになっていた。


服装も化粧もそれほど構わなくなったのは確かだ。


もしかしたら女子力が落ちたことが彼女に負けた原因かもしれない。


そんな外見的なことじゃなくて、私と大地は内面で惹かれ合っているとばかり思ってたのに……


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