ベストマリアージュ
確かに誘ったのは私だし、大地は初めは拒む姿勢を見せていた。


でも最終的に私と寝たのは、大地自身が決めたこと。


だけど、私はあれでわかったのだ。


もう大地には未練がないと。


私から言わせれば、大地が裏切ったんだとしたら、あのあと私に送られてきたメールの方だと思う。


押しきられたわけでもなく、大地の方から会いたいと言ってきたんだから……


私はわざと聞こえるように溜め息をついた。


それからおもむろに口を開く。


「お約束します

大地とは会いませんから、安心してください」


「……」


こちらが会わないって言ってるのに、無言てどうなんだ?と思いながら、私はもう一度優しく伝える。


「大地とはもう会うことはないです

もし、偶然会ったとしても、私はもう未練はありませんから」


――だからあなたも大地を信じてあげたら?


自分と浮気した事実がある以上、信用できないのはわからなくはないけど。


自分のしたことは、結局自分に返ってくるのだ。


それだけのことをしたのだから、それなりの覚悟をしているのかと思えば、そうでもなかったらしい。


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