ベストマリアージュ
「でもだったらわかるでしょ?

妻の立場なんて確実じゃないの

大地は誰かにまた揺れることもあるかもしれないわ?

あなたに揺れたのと同じようにね?」


「……」


彼女は何も言わなかった。


私の言ったことが当たってるからなんだろう。


自覚してるからこそ、不安なんだ。


「一度……会ってもらえませんか?」


「はっ?なんで?」


「お会いして、きちんと謝りたいんです」


「謝ってほしいなんて思ってないですから」


「お願いします!

私が納得したいんです

きちんとあのときは、謝れなかったから……」


承諾してしまったのは、気持ちの整理をすることの大切さを、私が一番よく知ってるから。


(まったく、お人好しなんだから……)


自分で自分に呆れながら、彼女と会う約束をした。


それが、明日の約束。


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