ベストマリアージュ
「そうですか

じゃあ隠す必要もないですね?

会いましたよ?大地に
二ヶ月くらい前かな?」


「認めるんですね?」


「知ってるっていうから正直に話しただけですけど」


「開き直るんですね

やっぱり復讐なんでしょう?」


ヒステリックになる彼女を見ながら、私はぼんやり赤ちゃんによくないのにと思った。


「復讐とか、そんなんじゃないですよ?

それにあなたは知らないかもしれないけど、私が大地に会うってことは、離婚の条件に入ってるの

だから、あなたにとやかく言われる筋合いはないと思うけど」


そう言い切ると、もう一口コーヒーを飲む。


彼女はワナワナといった言葉がぴったりなくらい体を震わせていた。


「なんですか?それ

私、聞いてない!」


「だから、それは大地の問題であって、私には関係ないでしょう?

それに、その条件をのまなかったら、私は離婚しなかったかもしれないし……

そしたらあなたが結婚することもなかったし、妊娠することもなかったんじゃない?」


別に二人を引き裂こうとか、いまさらそんなこと思ってるわけじゃない。
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