ベストマリアージュ
「さとし?」


さっき電話で話してたはずのさとしが、気まずそうにそこに立っていたのだ。


「ちょっ!なにやってんの?こんなとこで!」


思わずそう叫びながら詰め寄ると、さとしはますますバツが悪そうな顔をする。


そんなさとしの態度に私は嫌な予感がしていた。


「ねぇってば!

まさか……つけてきたんじゃないでしょうね?」


ピクッとさとしの眉が動くのを見逃さなかった。


これは肯定と見て間違いない。


「どういうこと?」


「お前が嘘つくからだろ?」


「嘘?」


「仕事じゃねぇじゃん」


うっ!……そう言われると何も言えない。


「こそこそ出掛けていくの見えたから、後つけてきたら職場と違う方に歩いていくし……」


「……」


もう、バレてるよね……?


これはやっぱり謝っちゃった方がいいかもしれないパターンか?


「もしかしたら、あいつに会いに行くんじゃないかって……思ってさ……」


「えっ?」


予想もしていなかったことを言われて驚いた。


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