ベストマリアージュ
ちゃんとここで終わらせて、次に進めるかもしれない。


いろんな覚悟を胸に秘めて、勇気を振り絞ったさっきの言葉。


ちゃんとさとしに届いただろうか?


私のさとしに対する気持ちを……


「ターコ」


思ったのと全然違う言葉が上から降ってきて、私は思わずさとしを見上げた。


「なんで別れなきゃなんねぇんだよ」


「え……だって」


さとしの手が私の頭をグシャグシャにかき回す。


「やっぱ、お前バカだろ?

なんでそんな発想になるわけ?」


だって、あの人……浮気相手じゃないの?


私の考えを察したのか、さとしが真っ直ぐに私の目を捕らえた。


「浮気、してねぇからな?

お前の勘違いだから」


「え……?」


「まぁ……勘違いしても仕方ねぇか」


グイッと私の腕を掴んで、さとしはまたマンションの方に私を引っ張っていく。


なに?なんなの?勘違いって……


私は引きずられるまま、マンションの中に入って、あっという間にさとしの部屋の前まで連れてこられてしまった。


「ほら、中入れ」


ガチャっと乱暴にドアを開けると、私を中に押し込む。


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