ベストマリアージュ
「さっきのお詫び」


「お詫び?」


「うん、ちょっといじめちゃったから」


クスッと思い出したように優也は笑う。


笑うと綺麗な顔が可愛くなるんだな?なんて、私はぼんやり思った。


「なぁ、ちゃんと話聞いてる?」


「え?」


「俺のこと、見すぎなんだけど」


(やっばい!見とれてた……かも)


慌ててパッと顔を下に向ける。


(ばれたかな?ばれたよ……ねぇ?)


「ま、普通の女の子ならそうなるか

俺、カッコいいし?」


(あぁ……やっぱ、ばれてるし……)


「あ……いえ、あの……」


しどろもどろになる私をからかうように、優也は一人言のように呟いた。


「女の子って、彼氏とかいても、イケメンに弱いってほんとなんだねぇ」


なにも言い返せない。


見とれてたのは、ほんとだし。


ギッ……とスプリングの軋む音がして、優也が体を起こしたのが見なくてもわかった。


「ねぇ、もしかして彼氏がいても、俺とエッチなこと出来たりするわけ?」


「は?」


思わず顔を上げてヤツを見た。


いきなりなに言い出すの?この人。


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