ベストマリアージュ
「あんた、バカ?」


「へっ?」


「んなわけないじゃん

さとしとずっと一緒にいたくせに、そんなこともわかんないの?」


あっさり否定されて、なんだか拍子抜けした。


私だって最初っからそんなこと思ってたわけじゃない。


ちゃんと私を女として好きでいてくれてるって思ってた。


だから、優也の言葉に少しだけ励まされる。


やっぱり同情なんかじゃないのかなって。


「あんたがさ、まだ前の旦那を引きずってんじゃないかって、さとしの方こそ思ってんじゃないの?」


「え?私はもう引きずってなんか……」


「でも、あんたが旦那に振られてボロボロになってんの、ずっと側で見てたんだろ?」


確かにそうだけど、でも私がもうふっ切れてるってことは、あの喫茶店で大地の奥さんに会った日にちゃんとさとしには伝えてる。


だから、私の気持ちがさとしにあるってことは、ちゃんとわかってくれてると思ってたけど……


「あんたが同情なのか心配なように、さとしだってもしかしたらその辺気にしてんのかもしれないだろ?」


「……だから、なにもしてこないのかな?」


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