ベストマリアージュ



シン……と静まり返る部屋に、私とさとしの二人きり。


気まずい空気が流れて、私は正座したまま俯いていた。


さっきからさとしも一言も喋らないで、ソファーにもたれたまま微動だにしない。


やばいなぁ、やっぱり怒ってる……


顔は下に向けたまま、目だけをチラッと髪の毛の隙間から、さとしの方に向けた。


足を片方立てて、その膝に頬杖をついてるのが見える。


顔は……今まで見たこともないくらい眉間にシワを寄せて怖い顔をしていた。


さっきからこの状態のまま、30分は経過してる。


いい加減足も痺れてきたし、なんか喋ってくんないかな?


不謹慎にもそんなことを思う私はいけない子だろうか?


確かに私が悪かったけど、こんな沈黙耐えられない!


「あの……さとし?」


思いきって、声をかけてみたけど……


「あぁ?」


怖い!やっぱり怒ってるし……


それ以上は無理!と判断して、私はまた押し黙った。


また流れる沈黙。


さとしと一緒にいたいとは思ったけど、こんな形は望んでない。


ていうか、嬉しくない!


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