ベストマリアージュ
「お前、ほんとに俺でいいのかよ?」


しょんぼりしていた私の耳元に、切なそうな声が届く。


言われた意味がしばらくわからなくて、真顔でさとしの目を見つめた。


「聞いてんのかよ」


「え!あ……うん」


さとしは何を言ってるんだろう?


俺でいいのかよって、当たり前じゃん!


そうじゃなかったら、嫌がるさとしを無視して、こんなとこまでノコノコ来るかっつーの!


優也が言ってた。


さとしも不安なんじゃないかって……


この自信家に限ってそんなことはないって思ってたけど。


もしかして、もしかするの?


「えっと……言ってる意味がよくわかんないんだけど?」


「はぁ?さっきうんて言ったじゃねぇか!

意味わかんないで返事したのかよ!」


さとしはガバッと体を起こして私を睨み付けながら怒鳴り出す。


少しだけいつもの調子に戻ってきたさとしにホッとしながら、私はニヤッと笑って言ってやった。


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