ベストマリアージュ
さとしのベッドは一人で寝るには大きすぎるくらいのもの。
きっと、おもいっきり手足を伸ばしても大丈夫なように、わざとダブルにしてるんだ。
そういえば、実家の部屋のベッドもわりと大きめなものだった。
そこまで思い出して、私は顔が熱くなる。
だって、あのベッドで私はさとしに……
『教えてやるよ』
そう言って押し倒されたんだっけ。
あのときはあんなに積極的だったのに、いざ付き合ったらキスだってなかなかしてこない。
そんな彼に先に仕掛けたのは私。
私を思って手を出さなかったんだってことがわかったから、遠慮なく彼の唇を奪った。
セフレまでいたくせに、変に照れるから私まで恥ずかしくなる。
それでも私のキスにきちんと応えてくれたから、そのまま最後までいくもんだと思ってた。
なのに……
「お前、女のくせに自分からしてくるとか、ありえねぇんだけど」
そう言ってスッと私から離れてソファーにドサッと偉そうに腰かけた。
「はぁ?なによそれ」
仮にも恋人同士で、しかもキスまでしたのに、その言い草はなんなの?