ベストマリアージュ
「悪いけど、俺はこのままお前となしくずし的にやるとか、ないから」


ソファーの背もたれに両手をかけた状態で、さとしは天を仰ぐ。


なっ!?なんなの?この焦らしプレイは!


だいたいそれじゃまるで、私がすごくしたくて堪らないのにお預けくらってるみたいじゃない!


「どういう意味よ!

なし崩し的って、私たち子供じゃないんだから、そうなったっておかしくないでしょ?」


フンッと鼻を鳴らしながら、さとしはゆっくりこっちを見た。


「お前なぁ、それじゃセフレと変わんねぇだろうが

そんな扱いでいいのかよ?

彼女ってそんな軽いもんじゃないだろ?」


――は?


何を言ってんだ、こいつは……


もしかして、今ままで彼女とかいなかった……とか?


遊びの付き合いしかしたことないから、彼女って響きに酔ってたりする?


「だからお前との初めては、ちゃんと考えてあるから心配すんな」


まさか、私との初めてを特別なシチュエーションでとか思ってるんじゃ……


「来月、お前の誕生日だろ?

その日にホテル予約してあんだよ」


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