ベストマリアージュ
「ごめん、珠美……
俺、好きな人がいるんだ」
夫にそう告白されたのは、夕食後いつものように二人分のコーヒーをいれてリビングのソファーに腰をおろした時だった。
「はっ?」
たぶん、私はそうとう間抜けな顔をしていたに違いない。
それくらい、夫の大地に言われた言葉に現実味がなかったから……
だって私たちは一応、恋愛結婚なわけで。
まだ子供はいないけど、結婚して3年、楽しく仲良く暮らしてきたつもりだった。
喧嘩だってあんまりしたこともないくらい、順調だって思ってた。
ラブラブだって思ってたのは私だけだったってこと?
だって大地は、三日前にも私を抱いたばかりだ。
それなのに、こんなことってあるんだろうか?
好きな人って誰?
それを私に伝えるってことはもしかして……