ベストマリアージュ
声を荒げてそう叫ぶと、さとしの顔がスッと冷たいものに変わる。


それからなにも言わずにまたソファーに腰かけると、ゆっくりと口を開いた。


「だから心配なんだよ」


両足に肘を乗せて前屈みになりながらそう呟く。


なんでさとしはこんなに心配なんだろう?


私はそんなに信用ないのかな?


さっきだってさとしが好きだって伝えたばかりなのに……


「俺と喧嘩したり不安になったりしたとき、他のやつに寄りかかろうとするだろ?」


……あっ……そういうことか。


それは優也の部屋で私自身も思ったことだ。


大地のときはさとしに……


さとしのときは優也に……


そんな私を見てたら、信用されないのも無理はない。


誰かに相談して解決なんかするもんじゃなかったんだ。


きちんと本人と向き合って解決しなきゃ、寂しさを埋めるだけのただの逃げ道にしかならない。


「ごめん……

そうだよね?私が悪かったと思う


今度からはちゃんと、不安なことも喧嘩しても、さとしに言うから」


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