ベストマリアージュ
だって、給料日前で行けないって言ったのはつい最近のこと。


家でゴロゴロしてるのもお金がないせい。


なのに勝手に押しかけたのも、心配かけたのも、私のせいだ。


おまけに優也にまであんなことされて……


そんな後ろめたさもあって、お詫びのつもりでそう言ったのに……


「バーカ、お前のが金ねぇだろ?

実家に世話になってんだから、そんな金あったら家に入れるか貯金しろ!」


私の意見など一刀両断されて、恨みがましい目でさとしを見る。


「だって……お金がないって言うから……」


「お前よりはある

それに女に出させるなんて男の恥だろ?

ほら、うだうだ言ってねぇで行くぞ」


今の世の中、割り勘や女性が出すのが当たり前になってきてるっていうのに……


まるでバブル時代のおやじみたいだ。


俺様は俺様だけど、さとしはきちんと男の役割を果たそうとしてくれる。


そんな男気のあるところも、好きだなと思った。


ここは素直に甘えればいいんだろう。


クスッと笑いながらさとしの背中に飛び付く。


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