ベストマリアージュ
心臓の音がどんどん早く大きくなっていく。


さとしを信じてるし、大丈夫だって思ってるけど……


この人が私を苦しめようとして、わざとこういう言い方してるのもわかってる。


だけど、私は自分に自信がなかった。


安心なんて出来ない。


安心しきって、そこにあぐらをかいてた結婚生活はもろくも崩れ去った。


結婚ていう揺るぎないように思えた場所は、私の知らない女の子の登場であっという間に奪われて……


だから、絶対はない。


絶対は……ないんだ。


さとしは大地と違うってわかってる。


わかってるけど、こんなに待たされたら不安にもなるでしょう?


だけど……


スンッと鼻を啜り細く長く息を吐き出した。


それからグッと優也を睨み付けるように顔を上げる。


面白そうに私を見ていた優也は、一瞬怯んだように見えたけど、すぐにいつものバカにしたような顔で、なに?と首を傾げた。


「そうだったとしても、さとしは絶対に来てくれます

だから……」


「だから?」


「心配してくださらなくても大丈夫です

ご忠告ありがとうございました」


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