ベストマリアージュ
ダブルの大きなベッドが余計に空しさを感じてしまう。


ゴロンと大の字になって寝転がると、今日の疲れが一気に襲ってきた。


せっかくさとしのために着てきたワンピースが皺になっちゃう……とか、さっきメイク直したばっかりなのに……とか、いろんなことが頭をよぎるけど、瞼はどんどん閉じていく。


どうせ頑張ってお洒落した姿は、さとしよりも先に優也に見られたんだし……


キスだってされちゃってるわけだから、よく考えたらさとしに合わせる顔なんかないや……


だから、もう寝ちゃってもいいかな?


きっとさとしは来てくれるって、さっきは優也に啖呵をきったけど、ほんとは自信なんかこれっぽっちもない。


お客様なら余計に、さとしは邪険になんか出来ないだろうし、わがままにも応えてあげるような気がした。


とろとろと微睡みながら、すっかり瞼は閉じていて、心地いいベッドの感触に吸い付くように私の体は沈んでいった。


起きたら私の誕生日は終わってるだろう。


さとしもいないかもしれない。


でも今日だけは私のために取ってくれたこの部屋で、さとしを思って眠るくらいいいよね?


バックの中で着信音が鳴っていることなんか、このときの私は知るわけもなくそのまま深い眠りについた。


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