ベストマリアージュ



リベンジのお誘いは、わりとすぐに訪れた。


誕生日とクリスマスが近いと、いつもプレゼントがまとめられちゃうから小さい頃は嫌だったけど、今回に限っては良かったのかもしれない。


「その日は俺、休み取ったから

こないだみたいなことは絶対ないから安心しろよ」


いつものように電話で偉そうにそう言ったさとしに、私は聞こえないように吹き出した。


まるで私のためみたいに言ってるけど、実のところあの日のことで落ち込んでたのはさとしの方で。


いや、私ももちろんガッカリしたしモヤモヤしたんだけど……


携帯を持ちかえてベッドに寝転びながら、たった2週間ほどしか経ってないこの数日間を思い出した。


週に一回、帰ってくればいい方だったさとしが、この期間に帰ってきた回数は四回。


火曜の定休日に合わせて月曜の夜に帰ってくるのはもちろん、それ以外にも突然夜遅く現れて朝早く戻ることもあったりした。


たぶん、さとしなりに私に気を使ってくれているんだろうけど、私はさとしの体の方が心配で、こっちから会いに行くって何度か言ったけど、それはあっさり却下された。
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