ベストマリアージュ
なんでこんな風にいつも嫌がらせするんだろう。


いくらさとしが好きだからって、ひどすぎる。


だけど……


「わかりました……

さとしに伝えときます」


それしかいい方法が見つからなくて、私は優也の申し出を受け入れてしまった。


例え自分の口から本当のことを伝えることになったとしても、優也から言われるよりはましだと思ったから。


「そ?最初っから素直にそう言えばいいのに

珠美ちゃんならわかってくれると思ったよ

クリスマスの夜は邪魔しないからさ

今度こそさとしのものになれるといいね?

欲求不満の珠美ちゃん?」


あはは、じゃあまたねぇ、と言いたいことを言って電話は切れた。


まだバカにしたような笑い声が耳に残ってる気がして携帯を投げつける。


「ふっざけんなっ!」


悔しくて涙が溢れ出る。


携帯はこたつ布団にパフッと当たって、そのまま床に滑り落ちて止まった。


あんなこと言われっぱなしで言い返せない自分が情けない。


今度こそ無くしたくないのに。


大地のときみたいに手放したくはないのに。


なんでこんなことになっちゃったんだろう?


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