ベストマリアージュ
「そんな怒んなよ

別に失敗したわけじゃねぇし」


は?それってどういう……


「そういや、聞きたいことあんだけど」


何か言おうと口を開きかけたとき、さとしが先に口を開いた。


さっきの言葉に突っ込む間もなくそう言われて、ちょっぴり緊張する。


何を聞かれるんだろう?


「……なに?」


「お前さ、優也になんか言われたろ?」


「なんか……って?」


キスされてそれをネタに脅されてたことはちゃんと言ったし、他に何が……


「俺のことが好きとかなんとか」


「えっ!?」


咄嗟にさとしの顔を凝視する。


まさか、知ってるの?優也の気持ち。


あ~やっぱな?と、肘を立てて手で頭を支えながらため息をつくさとし。


「お前がなんであいつに強く言えないのか、それでよくわかったよ

俺に惚れてるけど叶わない恋だからとか、同情したんだろ?お前のことだから」


え?え?どういうこと?


軽くパニックになりながら、何も言えないでいると、さとしが私の腕をグイッと引き寄せた。


「お前、お人好しすぎ」


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