ベストマリアージュ
バランスを崩してベッドに倒れこむと、さとしが上から覗きこんでくる。


「まあ、無理もないよな?

最初に会ったとき女の格好してたし?

ゲイだからとか言われたんだろ?」


苦笑いするさとしに、私は目を丸くする。


「まさか……嘘なの?」


騙されてたんだとしたら、私はなんのために……


「いや、まったく嘘ってわけじゃないだろうけど」


言いながら、私のおでこにキスを一つ落とす。


「あいつ、珠美のことも好きなんじゃねぇかな?」


「は?だ、だ、だって!
ゲイなんでしょ?」


慌ててそう言うと、さとしはさらに困り果てた顔でありえないことを呟いた。














「あいつ、たぶん女も好きだよ?」












ええーーーーーーーっ!
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