ベストマリアージュ
まさかとは思ってたけど、私のこと昔から好きだったとか?


嘘、なんか嬉しいかも……


「さとし?」


後ろからそう声をかけると、なんだよ?とぶっきらぼうに答える。


「お前が素直にうんて言わねぇから、余計なこと言わされたじゃねぇか!」


心なしか顔が赤いのが見えて、思わず後ろから抱きついた。


「おわっ!なんだよ、急に!」


そう言いながらもお腹に回した手をキュッと握ってくれる。


左手の薬指をなぞるように触れられて、ようやくさとしのプロポーズを受け入れることが出来た。


「ありがと、さとし……

私、さとしのお嫁さんになる」


素肌の背中にペタッと頬をくっつけてると、さとしの匂いと体温が私に安らぎを与えてくれる。


口を開けば喧嘩ばっかりだけど、思えばいつもさとしは私を思って言ってくれていた。


さとしと結婚するために大地との別れがあったのかな?なんて思うほどに私は今、幸せだ。


「さとし……大好き」


背中に唇を寄せると、さとしもまた私の薬指にキスを落とす。



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