ベストマリアージュ
タッタッタッタッ……
軽快な足音が、誰もいない朝の道路に響く。
真夏の朝は、さすがに気温も高くてすでに汗だくだ。
首にかけたタオルで汗を拭いながら、もう一時間は走っている。
あの日、さとしに言われた言葉は、私の中でかなりショックなものだった。
『肌、ボロボロ』
確かに食欲もなかったし、眠れないことも多かった。
だからあの若い女と比べられて、そう言われても仕方がない。
ジムで汗を流して痩せようとしたりもしたけれど、居候の身で無駄遣いしてる場合じゃないと、先月いっぱいでやめていた。
朝晩、二時間くらいの距離を走り、野菜をたっぷりとって、よく眠るように気を付けている。
おかげで少しずつ体型も肌の調子も、戻りつつあった。