ベストマリアージュ
でも、文句言われながら買い物とか嫌だし……


あぁ、もう、どうしよう!


一人でグルグルそんなことを考えていると、さとしはもう出かける準備を終えて、部屋から出ていこうとしてた。


「何してんだよ、行くぞ」


拒否権は……ないんだろうか?


仕方なくのろのろと立ち上がり、その辺に置きっぱなしだった鞄を掴んだ。


そしてゆっくりとさとしの後を追う。


すでに玄関で待っていたさとしは、早くサンダルを履くよう私に促した。


やっぱり、逃げられないらしい。


ようやく観念した私は、どうせなら買ってもらっちゃおうか、なんて図々しいことを考えていた。


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