ベストマリアージュ
「おまっ!なにニヤニヤしてんだよ!」


怒鳴ってばかりのこの人の言葉は、たぶん照れ隠しなんだってことも。


「え~?やっぱりさとしは優しいなぁと思ってさ」


思ったことをそのまま伝えれば、さとしの顔が真っ赤に染まった。


「う、うるせ!

もう寝るから、出てけ!」


珠美ちゃんて呼ばれてた頃は、もっと素直だったのになぁ……


「はいはい、わかったわかった

じゃあまたね?ありがと」


ベッドに潜り込んで寝たふりをするさとしにそう声をかけて、私は部屋を後にした。


せっかく可愛くしてもらったんだから、どっかにでかけようかな?


外があまりにもいい天気だったから、なんとなくそう思う。


お日様の光を浴びながら、私はとりあえず駅の方へと歩いていった。


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