ベストマリアージュ
「今のままじゃ、見てくれだけだ

会って話して食事して、それで終わるつもりじゃないんだろ?

もう一度……あいつとしたい、って思ってるなら……

そこも変わんなきゃなんねぇんじゃねぇの?」


さとしの言うことは、いちいちもっともで……


大地につきつけた離婚の条件――


それはいつか私が会いたいと思った時には、それに応じてほしいってこと。


そして、もし私が望んだなら、体を重ねることにも応じて欲しいと……


今、彼には新しい奥さんがいて、それはもしかしたらいけないことなのかもしれない。


でも、彼女も同じことをしてたんだと思えば、胸も傷まなかった。


さとしのいうように、もし彼女の体が良かったのなら、私の何がいけなかったんだろうと思う。


大地がそれについて不満を漏らしたことはなかったから、自分ではわからなかった。


「今、キスしてみてわかったけど、お前、いつも受け身だっただろ?」


いつの間にか、またお前に戻ってることに、私は少しだけホッとする。


「受け身?」


「そ、自分から、何かしたことないんじゃねぇの?」


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